2022年4月4日
第1957回
「誠実」がすべての要諦
<誠実とは相手の幸福を願う心>
私が話すときは、
すべて戸田先生の指導がもとになっている。
全部、先生から教えていただいたことである。
私は青春時代から、
戸田先生の指導を″遺言″のつもりで心に刻んできた。
先生は、厳しき社会に挑む青年たちに言われた。
「人間の誠実が、
どこまで通じるかどうかだ。
誠実――それが戦いのすべてであり、要諦である」
誠実であることだ。
謙虚に、真剣に、心をこめて話していくことだ。
表面的な人気とりの姿が、
誠実なのではない。
誠実とは、
どこまでも相手の幸福を願う心である。
最高の誠実とは、
戦いの先頭に立ち、
悪を滅し、
善を広げていくことなのである。
どうか、わが舞台で、
多くの人から
「さすがだな」
「頼りになるな」
「すばらしいな」
と言われる一人一人になっていただきたい。
2005.2.10第四十六回本部幹部会、第四回関東総会
2021年11月4日
第1770回
人間の心を打つものは、
「誠実」なる行動以外にない
その夜、一行は旅行会社を通して予約しておいたホテルに移り、そこで支部結成のための打ち合わせを行った。各地に点在するメンバーの数を割り出し、どこに地区をつくるか、誰を中心者にするのか、綿密な検討がなされた。
打ち合わせが終わったのは深夜だった。伸一の肉体の疲れは既に限界を超え、目まいさえ覚えた。しかし、バッグから便箋を取り出すと、机に向かい、ペンを走らせた。日本の同志への激励の便りであった。手紙は何通にも及んだ。
彼は憔悴の極みにあったが、心には、恩師・戸田城聖に代わってブラジルの大地を踏み、広布の開拓のクワを振るう喜びが脈動していた。その歓喜と闘魂が、広宣流布を呼びかける、熱情の叫びとなってあふれ、ペンは便箋の上を走った。
ある支部長には、こうつづっている。
「今、私の心は、わが身を捨てても、戸田先生の遺志を受け継ぎ、広布の総仕上げをなそうとの思いでいっぱいです。そのために大事なのは人です、大人材です。どうか、大兄も、私とともに、最後まで勇敢に、使命の道を歩まれんことを切望いたします。そして、なにとぞ、私に代わって支部の全同志を心から愛し、幸福に導きゆかれんことを願うものです」
日本の同志は、この時、伸一が、いかなる状況のなかで手紙を記していたかを、知る由もなかった。しかし、後日、それを知った友は、感涙にむせび、拳を振るわせ、共戦の誓いを新たにするのであった。人間の心を打つものは、誠実なる行動以外にない。
<新・人間革命> 第1巻 開拓者 290頁~291頁
2021年5月30日
第1719回
誠実は最後の勝利を導く力
「誠実」に
まさる力はない。
誠実は
一時は損のように見えて、
時とともに信頼を得、
福徳をつけて、
最後は勝利する。
信仰者とは
最高に「誠実」な人間の
異名である。
「一念三千」の
仏法であるから、
心は、
すべて通じていく。
言葉一つ、手紙一つ、
電話一つにも、
真心を込めていくことだ。
そこから
一切は開けていく。
自分のいる場所から
友情を結ぼう!
この地元には
不幸を寄せ付けない!
わが地域に
希望を広げよう!
その一念を込めた
誠実な対話の
積み重ねによって、
広宣流布の
現実の土台は築かれる。
そして、それが、
そのまま、地域の発展に
連動していくのだ。
広宣流布とは、
特別な「大きなこと」を
することではない。
今の自分にできる
「小さなこと」を、
地道に粘り強く一つ一つ
行っていくことである。
目の前の「一人」に
同苦し、励ます。
今できる
「一つ」の行動に、
誠実に、
張り切って取り組む――
それは、誰もが直ちに
実践できることなのだ。
日本も世界も、
激動と不安の中にある。
誰もが心から信頼できる
何かを求めている。
だからこそ、私たちは、
目の前の一人を大切にし、
相手の仏性を信じ、
確信を持って語るのだ。
粘り強い大誠実の対話は、
悪意や偏見も打ち破る。
確かな友情を結び、
仏縁を広げていくのだ。
2021年5月30日〈池田大作先生 四季の励まし〉