2020年2月1日
第1639回
夢物語が現実に!
<生きていること自体が楽しい>
今、あらためて思い起こされる恩師の宣言がある。
「我々はこの世に楽しむために生まれてきたのだ」と。
戦後の苦悩渦巻く大混乱の時代の只中にありながら、
戸田先生は、信心の力で一人一人が「生きていること、それ自体が楽しい」という人生を開いていけると断言された。
そして、「日本中、世界中の人をみんな楽しい笑顔にしようではないか」と呼び掛けられたのである。
夢物語のように聞いた人も少なくなかった。しかし、御聖訓に深く裏付けされた大確信の叫びであった。
日蓮大聖人は、苦難と戦う四条金吾夫妻に仰せである。
「一切衆生・南無妙法蓮華経と唱うるより外の遊楽なきなり経に云く『衆生所遊楽』云々、此の文・あに自受法楽にあらずや」(1143頁)
それは、富や名声など、儚く移ろう楽しみではない。自らの生命の中から込み上げてくる大歓喜である。
大聖人は、「衆生のうちに貴殿もれ給うべきや、所とは一閻浮提なり」「遊楽とは我等が色心依正ともに一念三千・自受用身の仏にあらずや」(同頁)とも示された。
「一切衆生」がもれなく、「一閻浮提」のいずこでも、題目を唱えれば、妙法の当体として必ず「遊楽」の境涯と国土を創造していけると、約束くださっている。
現実の苦しみは賢人・聖人も逃れることはできない。
だからこそ、「苦をば苦とさとり楽をば楽とひらき苦楽ともに思い合せて」(同頁)題目を唱え、前進するのである。
ここに、いかなる人生の宿命も社会の難題も、一つ一つ打開し、未来を照らしていく「絶対勝利」の道がある。
その何より雄弁な実証は、共戦の旅を勝ち越えた多宝の父母たちのいぶし銀の笑顔ではないだろうか。うれしいことに今、聖教新聞を通し、全世界へ発信されている。
修羅の命が噴出する時代であればこそ、一段と異体同心の結合を強め、我らは「歓喜の中の大歓喜」の妙法を人類へ伝え弘めようではないか!
「いよいよ強盛の信心をいたし給へ」(同頁)との仰せのままに。
苦楽をば
分けあう縁の
我らかな
永遠に進まむ
遊楽道を
大白蓮華2020年2月号№844 巻頭言より