2021年10月10日
第1739回
学会と社会の間に垣根なし
<学会理解者を大切に>
伸一は、同行のメンバーの気持ちを察して、
すかさず言った。
「私は、ポールさんのような方を大切にしたいんです。
信心をしていないのに、
学会をよく理解し、協力してくれる。
これほどありがたいことはない。
私は、その尽力に、最大の敬意を表したいんです。
みんなは、ただ信心しているか、
していないかで人を見て、
安心したり、不安がったりする。
しかし、それは間違いです。
その考え方は仏法ではありません。
信心はしていなくとも、
人格的にも立派な人はたくさんいる。
そうした人たちの生き方を見ると、
そこには、仏法の在り方に相通じるものがある。
また、逆に信心はしていても、
同志や社会に迷惑をかけ、
学会を裏切っていく人もいます。
だから、信心をしているから良い人であり、
していないから悪い人だなどというとらえ方をすれば、
大変な誤りを犯してしまうことになる。
いや、人権問題でさえあると私は思っているんです」
伸一の思考のなかには、
学会と社会の間の垣根はなかった。
仏法即社会である限り、
仏法者として願うべきは、
万人の幸福であり、
世界の平和である。
また、たとえば広い裾野をもつ
大山は容易に崩れないが、
断崖絶壁はもろく、崩れやすいものだ。
同様に、盤石な広布の建設のためには、
大山の裾野のように、社会のさまざまな立場で、
周囲から学会を支援してくれる
人びとの存在が大切になってくる。
更に、そうした友の存在こそが、
人間のための宗教としての
正しさの証明にほかならないことを、
彼は痛感していたのである。
<新・人間革命> 第1巻 新世界 118頁~119頁
2023.10.25整理