2017年3月3日
大願ををこせ
<「万人成仏」こそが仏の願い>
本来、我が根底にある思いこそが
「万人成仏」の願い
『願くは、我が弟子等・大願ををこせ』(上野殿御返事、1561頁)
「願くは」と万感の思いを込められ、そして「我が弟子等」と全門下に呼び掛けられている意義を、深く心に刻みたい。
「大願」とは、万人成仏という仏の偉大な願いであり、広宣流布という大いなる願いです。全民衆を救いたい――これこそが仏の願いです。
法華経方便品には、釈尊自身の根本の誓願について「如我等無異(我が如く等しくして異なること無からしめん)」(法華経130頁)と説かれています。
釈尊在世の弟子たちは、過去世に自身が常に師匠と共戦を続けてきたことを思い起こして、大いなる使命に目覚めました。
さらに、本弟子たる地涌の菩薩は、久遠から釈尊と同じ広宣流布の願いを共有してきました。
師と共に同じ誓いに立ち、自他共の幸福を実現しようと法を弘め、人々を励ましていく。この仏法の慈悲に連なる「大いなる願い」は、決して特別に選ばれた人だけが持つものではない。全ての弟子、ひいては、誰人もが本然的に胸中に抱いているものです。
大願を「をこせ」とは、この誰もが本来持っている、自分の根底にある願いを「思い起こしなさい」ということでもありましょう。
大白蓮華2017年3月号№809 14頁