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2018年11月18日

第1554回
青年が万代の韓日友好を


 私が、韓国の名門、国立済州チェジュ大学の趙文富(チョウー・ムンブ)・前総長と進めている対談が、教育専門誌「灯台」に連載される運びとなった。(=二〇〇一年十月号から〇二年九月号まで掲載。同年十一月、『希望の世紀へ 宝の架け橋――韓日の万代友好を求めて』として徳間書店から発刊された。池田名誉会長は、済州大学の「名誉文学博士」)
 今、日本の国家主義の台頭が深く憂慮されている。だからこそ、後世に真実の歴史を伝え、二十一世紀の韓日の新時代を開かねばならない。
 私は、韓国を代表する大教育者であり、信念の知性であられる趙博士とともに、平和と教育と文化の「真の友好の道」を照らし出していきたいと願っている。
 対談の冒頭、私は申し上げた。「『真摯に過去を見つめること』は、『真摯に未来に向きあうこと』と同義だと思います」「誤った歴史認識が、いまだに根深く、くすぶっているからこそ、質量ともに、それらをはるかに凌駕する、正しい真実の史観に立った平和教育を、断固として推進していかねばなりません」(『希望の世紀へ 宝の架け橋』徳間書店)
 虚偽や邪悪の暴論に対しては、それを圧倒する「真実の言論」「正義の言論」をもって、厳然と打ち勝ち、打ち破っていくことだ。
 アメリカの思想家エマーソンは言った。
 「人間は懐疑と虚偽の暗夜のなかで手さぐりしている。『真理』の光は消え、あるいはかすかに燃えているにすぎないからだ。さあ、炎をふたたび燃えたたせ、燃料を補給しようではないか――遠くまであかあかと照らす標識の光となって燃えあがり、世界をあかるくするまで」(『エマソン選集』7、小泉一郎訳、日本教文社)
 「善の言論」こそ「世界の光」である。
 対談では、一九四五年の八月十五日を、どのように迎えたかということも話題になった。
 日本にとっては、「終戦の日」「敗戦の日」であるが、日本に蹂躙されぬいた韓国にとっては、この日は「光復節」――悪逆な支配からの「解放の日」であり、主権を回復した「勝利の日」である。
 だからこそ、来る年、来る年、この八月十五日を、日本は、過去の軍国主義の過ちを心から反省し、アジアの方々から賞讃されるように、迎えていかねばならない。
 この「光復の日」、趙博士は小学校四年生であった。この時、心に抱いていた疑問が、″人類社会に対する問題提起″となり、学問の道の始まりとなったと博士は振り返っておられる。博士は言われた。
 「私は、文明における『勝利』の概念そのものを改める必要があるとの結論にたどりつきました。二十世紀までの軍事中心の時代における『勝利』と、これからの二十一世紀における『勝利』の概念を、明確に区別しなければならないということです。つまり、科学技術の発達がもたらした兵器や武器による脅迫で相手を屈服させるのではなく、慈愛をもって相手の心情に深く訴えて共感を湧き起こし、ともに人類としての正しい道を選び歩むようにすることが、これからの時代に求められるのです」(前掲『希望の世紀へ 宝の架け橋』)
 牧口先生の「人道的競争」の理念とも響きあう卓見である。(中略)
 趙博士は、創大生の代表に呼びかけられた。
 「あの軍国主義の時代にあって、牧口先生が、どれだけ気高い行動と思想を貫かれたか。戸田先生が、どれほど深い倫理観と先見性を持っておられたか。その事実を、もっと多くの日本人に知ってもらいたい。それを広め、語り継いでいくことこそ、創大生の皆さんの大切な使命です。過去の歴史は、現在と未来のためにあるのです
 こう言って、わが創大生に大きな期待を寄せてくださったのである。

 

 2001年8月19日 東京会研修会

2018年8月7日

第1518回

日韓青年友好大会

日韓の青年部がスクラム組んで模範の前進を

 

どんな逆境も変毒為薬し、

どんな宿命にも打ち勝つ自分の力に目覚め、

人のため、社会のために戦う喜びに目覚めよう!

 

一、はつらつたる「日韓青年友好大会」の開催、誠におめでとう!
 世界広布新時代を先駆する韓国の青年部の皆さん、猛暑の中、また忙しいところ、万難を排して、よくぞ来日してくれました。本当にご苦労さまです。
 学会創立100周年の主役である両国リーダーの本日の集いが、どれほど意義深いか。何よりも御本仏・日蓮大聖人が皆さんを最大に讃嘆されています。これほどうれしい、これほど頼もしいスクラムはありません。ありがとう! 本当にありがとう!
 本年5月には、日本の「韓国青年友好交流団」が熱烈に歓迎していただきました。その感謝を込め、改めて万雷の大拍手をもって盛大にお迎えしようではありませんか!(大拍手)
 一、日蓮大聖人は、「法華経の肝心・諸仏の眼目たる妙法蓮華経の五字・末法の始に一閻浮提にひろまらせ給うべき瑞相に日蓮さきがけ(魁)したり、わたうども(和党共)二陣三陣つづきて迦葉・阿難にも勝ぐれ天台・伝教にもこへよかし」(御書910ページ)と仰せになりました。
 それは、文化大恩の国・韓国から仏教が伝来して700年を経てのことでありました。さらに、それから、くしくも同じく700年を経て、この御本仏の師子吼に応えて立ち上がったのが、仏意仏勅のわが創価学会であります。
 そして、真っ先に仏法西還へ、一閻浮提広宣流布へ先駆し、二陣三陣の人材の流れを起こしたのが、韓国の誉れの同志なのです。
 若き創価の地涌の菩薩は、一人ももれなく、満を持して、この時に、それぞれの宿縁の国土へ躍り出ました。若くして偉大な妙法を持った皆さんは、わが偉大な使命を晴れ晴れと自覚し、誓願の題目を唱え抜いて、いかなる試練も勇敢に勝ち進み、一人ももれず最高の栄光の青春を生き切っていただきたい。
 韓国の大詩人・趙芝薫の言に、「逆境をチャンスと受け止められてこそ、苦がそのまま楽となる境地を得られる」(『趙芝薫全集4 随筆の美学』ナナム出版)とあります。
 今、世界中で多くの青年が、生き生きと仏法哲学を学び、どんな逆境も変毒為薬し、どんな宿命にも打ち勝つ自分の力に目覚め、人のため、社会のために戦う喜びに目覚めています。そして、若き世界市民の平和の大連帯を広げて、未来の希望と輝いています。
 その中で、最も要となる日韓の青年部がスクラムを組んで模範の前進をしていけば、世界広布新時代の確固たる軌道が前途洋々と広がりゆくことは絶対に間違いありません。
 一、今月、釜山の地で「法華経展」が開催されます。大成功の展示会となるよう、私も心より祈っています。
 法華経方便品に、「如我等無異」とあります。仏の目的は自分と等しい境地に衆生を導くことにあるということです。その意味で、広宣流布は、人類の精神性と境涯を最高に高めゆく崇高なる挑戦でもあります。
 皆さんは、この共生と生命尊厳の大哲理を掲げ、先陣を切って、自他共の人間革命の運動を自身の周囲から展開していってください。
 仕事や学業などでも、自分らしく努力を積み重ね、勝利の旗を打ち立て、立派な広布と社会のリーダーとして信頼を広げていってほしいのです。
 恩師・戸田城聖先生は、悪戦苦闘する青年たちを励まされました。
 「君たちは、将来は、それぞれの立場で、必ず第一人者になる人だ。ゆえに若いうちは、むしろ苦しんで、いろんなことを体験し、視野の広い実力を養っていくのです」と。
 一、ともあれ、皆さん方の福運はあまりにも深く、使命はあまりにも大きい。
 日蓮大聖人の太陽の仏法が世界中で輝き、社会を照らしていくのは、いよいよこれからであり、その一切の担い手こそ、皆さんなのです。
 ともどもに新たな日韓の虹の懸け橋を渡りながら、世界広布新時代の幸福拡大、友情拡大、平和拡大へ勇躍前進していこうではありませんか!
 私は、妻と共に、これからも愛する皆さん一人一人の健康と活躍と幸福勝利の人生を祈り、題目を送り続けていきます。心はいつも皆さんと一緒です。いつまでも、どこまでも、見守っていきます。
 日韓青年部の永遠の友情、万歳! 
 日韓青年部の皆さんに、栄光凱歌あれ!(大拍手)

 

日韓青年友好大会への池田先生のメッセージ   2018年8月5日

2018年5月23日

第1506回
韓日の青年の連帯

<全世界の団結の要、広布の原動力>

 

 「韓日の青年の連帯にこそ、全世界の創価家族が団結していく要があり、一閻浮提広宣流布を成就しゆく原動力があると私は期待しております。いな確信してやまないのであります。その意味でも、このたびの韓日青年部が深め強めゆく友情の絆は、大いなる希望の未来を照らしゆく光源となるに違いありません」
 「これからも、両国青年部の皆さんは、勇敢にして朗らかな挑戦王として、広宣流布の大使命に生きゆく中で、楽しく、賢く、雄々しく一日、一日、自他共の人間革命の舞を舞いながら、全員が栄光凱歌の人生を晴れ晴れと勝ち開いていってください」

 

ソウルで韓日友情総会 2018年5月21日付け聖教新聞 

 

2015年7月24日25日 

韓日友好之碑文

 

<祝・日韓国交正常化50周年>

 

 安らけき朝の光に 貴国を想う

 古の書に「東表日出之国(ひがしのおもてひいずるのくに)」と謳われ

 山高く 水麗しき 風雅の国

 東海の小嶋へ 重畳の波浪越え

 あまたの文化 文物もたらし

 尊き仏法を伝え来りし 師恩の国

 隣邦を掠略せず 故郷の天地 守り抜く

 誉れの獅子の勇たぎる 不撓の国

 

 然れども 世紀の災禍いくたびか

 小国の倨傲(きょごう) 大恩人の貴国を荒らし

 大国の横暴 平和の山河 蹂躙す

 アボジ(父) オモニ(母)の叫喚は

 我が魂に響き その痛み須臾も消えず

 不思議なるかな今 悲劇の祖国に

 巍巍堂々(ぎぎどうどう)たる地涌の同胞 涌き出で

 韓日新時代へ 敢闘の前進を開始せり

 

 敬愛する貴国の友人いわく

 「心をとざして相対すれば戦いとなり

 胸襟を開き相対すれば平和となる」と

 過去を忘却せず 現当へ誠信尽くし

 人道と正義の 大いなる旭日昇る

 韓日友好の「新しき千年」築かん

 無窮花(ムグンファ)の如き 馥郁たる幸と平和の楽園

 アジアと世界へ永遠に拓かん と誓いつつ

 

      一九九九年五月三日 池田大作

 

韓日友好之碑(福岡研修道場内) 

※日韓国交正常化・・・1965年6月22日「日本国と大韓民国との間の基本関係に関する条約」調印

2014年5月25日

日本国は彼の二国の弟子なり 

  
 日蓮大聖人は、「日本国は彼の二国の弟子なり」(法門申さるべき様の事、1272頁、編333頁)と明確に仰せである。
 彼の二国とは、貴国と中国である。
 韓国は、日本にとって「文化大恩」の「兄の国」である。「師匠の国」なのである。その大恩を踏みにじり、貴国を侵略したのが日本であった。
 ゆえに、私は、永遠に貴国に罪滅ぼしをしていく決心である。最大の礼をもって、永遠に貴国と友情を結び、貴国の発展に尽くしていく決心である。そこにこそ、正しき日本の繁栄の道もあると確信している。
 SGIは、世界と友好を結んできた。世界と仲良くしてきた。世界に貢献してきた。

 ゆえに、今日のSGIの大興隆があることを知っていただきたい。

 
2000.5.19韓日友好代表者会議

2013年10月9日

「師匠の国」に、報恩の誠を尽くせ!

 

 日本という傲慢な国は、恐るべきことに、これほどまでの歴史上の恩義を、仇で返しました。
 かつて、貴国の独立の獅子(呂運亨 ヨ・ウニョン)は、こう語っております。
 「歴史をひもときみれば、日本は朝鮮に対し、文化の上での負債者である。日本の文学、美術、工芸その他もろもろの文明は、みな朝鮮から学んだものではないか。ところが、日本はこれに対し感謝せず、つねに戦火をもってこたえた。(中略)詐欺と暴力で朝鮮を合併したではないか。(中略)世界各国もまた、みな日本の無信義を面罵し、かつ猜忌した」
 まったく、そのとおりであります。弁解の余地はありません。国際関係においても、人間社会においても、この「背徳忘徳」こそ、最大の罪悪であります。
 一切の狂いは、この恩知らずの傲慢と嫉妬から生じてくると言っても、決して過言ではないでありましょう。
 日蓮仏法では、「恩を知る」ものを人間と名づけ、「恩を知らない」ものを畜生としております。また、「不知恩の輩」は、無限地獄に堕ちると厳しく断罪しております。
 ゆえに、仏法者の証とは何か。それは、「知恩」(恩を知ること)をもって最重要のこととし、「報恩」(恩に報いる)をもって第一になすべきこと、とするのであります。
 私も、この半世紀、ただ師匠への報恩を貫いてまいりました。とともに、貴国への知恩・報恩の心を次の世代に厳然と託したいのであります。
 青年には正義の魂がある。「邪悪な忘恩の輩と断固として戦う勇気」が炎と燃えていくことを私は信じます。

 

1998.9.28韓国・扶余郡「名誉郡民証」授与式

2013年10月5日

百済は、大恩ある「師匠の国」

 

 日蓮仏法では、「報恩抄」をはじめ諸御書に、「百済国より仏法此の国(=日本)に渡り」(御書34頁)、また「百済国より一切経・釈迦仏の像をわたす」(御書302頁)等と記されております。

 まさしく、百済は、大恩ある「師匠の国」であります。そして、その都である貴・扶余(ぷよ)郡こそ、世界128(現在は129)カ国・地域のSGIにとって、絶対に忘れえぬ〝精神の大地〟なのであります。(中略)

 ロマンあふれる百済は、「東洋のギリシャ」とも譬えられております。たしかに、百済も、ギリシャも、ともに半島にあって、偉大な文化を繁栄させました。そして、百済も、ギリシャも、人々が、それぞれ、優美な微笑みをたたえ、学芸を愛し、航海術に優れ、海外との交流を雄大に展開しております。

 島国・日本が、この「東洋のギリシャ」たる百済から受けた「文化の恩恵」は計り知れません。

 仏教はもとより、「天文学」「地理学」「医学」「薬学」、また「裁縫」「金属加工」「造園技術」「暦」「音楽」「絵画」等々、数多くの貴国の専門家が海を越えて、その智慧の粋を、惜しみなく伝えてくださいました。

 「漢字」を運んでくれたのも、百済の博士であります。また、『万葉集』や漢詩集『懐風藻』にも、百済人の詩心が鼓動しております。

 貴国の先人たちは、関西、九州、関東、北陸など、各地にたくましく根を張り、ありとあらゆる分野で、活躍の足跡を刻まれました。今で言えば文部科学大臣にあたる高い立場で活躍した百済の賢者もいます。そうした両国一体の姿を、『日本書紀』も、巷間の歌に託して書きとどめております。

 また、日本の女性仏教者が、最初の留学生として学んだのも、百済の都・扶余でありました。

 要するに、百済なくして、そして扶余の都なくして、日本文化の発展は、断じてありえなっかたのであります。

 「クダラ」という日本語の読み方は、一説には「大いなる国」を意味する韓国語の「クンナラ」という尊敬の言葉に由来するのではないか、と言われています。

 今も、大阪をはじめ、各地に「百済野」「百済駅」「百済川」など、ゆかりの地名、遺跡は枚挙にいとまがありません。

 

1998.9.28韓国・扶余郡「名誉郡民証」授与式

 

◆さ行

サンマリノ共和国

2018年12月1日

第1564回
世界最古の共和国

ここに人類の理想郷が!

 

<サンマリノ共和国>

 

 二十一世紀初めての未来部総会、本当に、おめでとう!(拍手)
 皆さんが、お元気で、私は、うれしい!
 私は、少年少女部の皆さんと同じ年代のころ、ロマンあふれる詩を読んだことを、懐かしく思い出します。それは、「ガラスの山のてっぺんに、金のお城がありました」という一節から始まりました。
 私は、今、そのおとぎの国を舞台に、一つの物語を想起するのであります。その金のお城を中心に、激しい戦いが繰り広げられる。最初は、善良な人々が、悪い人間たちからさんざんにいじめられ、苦しめられる。しかし、正しい人々は、断じて負けない。屈しない。そして、最後には、金のお城で、晴ればれと「正義の勝利」の勝鬨をあげるというドラマであります。
 われらの青き地球には、この物語のように、高い山の頂に美しい城を築き、そして、平和と自由、正義と人道を、厳然と護りぬいてきた誇り高き人々の国が、現実に存在しております。それこそ、世界でもっとも歴史の古い共和国、貴サンマリノ共和国なのであります。(拍手)
  「人民の人民による人民のための政治」という、不滅の「共和」の理念を宣言した大政治家は、だれであったか。
それは、ご存じのとおり、アメリカの第十六代リンカーン大統領であります。
 新しく誕生したアメリカ創価大学、ならびに日本の創価大学には、リンカーン大統領の貴重な直筆の手紙なども重宝として保管されております。
では、このリンカーン大統領が「歴史上、もっとも誉れある国」と絶讃し、「励ましに満ちた真理を人類に示してくれた国」として、感謝してやまなかったのは、どの国であったか。それは、まさに、サンマリノ共和国だったのであります。(拍手)
 人類にとって、世界にとって、未来にとって、かけがえのない模範であり、理想の金字塔が貴国なのであります。この9月3日、貴国は、栄光輝く建国1700周年という大佳節を晴れやかに迎えられました。本当に、おめでとうございます!(拍手)


 牧国会長の信念がSGIの陣列に脈々と


 心より尊敬申し上げる、国家元首であられるお二人の執政(ロンフェルニ―ニ執政、ベラルディ執政)、さらにまた、ご一行の先生方。そして、すべてのご出席の皆さま方。ただ今、私は、何よりも意義深き貴国の最高の栄誉(サンタ・アガタ大十字騎士勲章)を、厳粛に拝受いたしました。まことに、まことに、ありがとうございました。(拍手)
 私は、青春時代から、貴国に深い敬意と親愛の情を抱いてきた一人であります。
 と言いますのも、創価学会の牧口初代会長が、100年ほど前に発刊した名著『人生地理学』(1903年刊)の中に、貴国のお名前が明確に記されていたからであります。『人生地理学』では、貴国が、強国に囲まれながらも、そびえ立つ山にあって、千幾百年もの長きにわたって、厳として独立を堅持し、共和国を発展させてこられたことに着眼しています。
 さらにまた、貴国に象徴される風土(山岳地帯)の人々には、まことに、愛すべき気風が多いことも紹介しています。
 すなわち、その思想は高邁であり、剛健な人々は独立心に富み、確固として信義を貫いている。そこでは、財産や土地も分かちあい、上や下の差別も少なく、平等で、皆が仲良く助けあう共和の精神が、とくに光っていると示唆しているのであります。
 牧口会長は、日本が国をあげて、日露戦争に傾斜していく時代にあって、かくも広々と、全世界に開かれた心で、真剣に各国の情勢を学び、つねに地球全体を見つめていました。そして、平和と人道の時代を、はるかに展望しながら、人間共和の世界へ、価値を創造していったのであります。
 そのスケールが巨大すぎるがゆえに、牧口会長は、島国根性の日本からは妬まれ、事実無根の悪口罵詈を浴びせられました。そして、究極の正義を叫んだがゆえに、狂った国家主義によって迫害され、ついには獄死させられたのであります。
 しかし、牧口会長は、悠然と「愚人に憎まれたるは第一の栄光なり」と言われ、獅子王のごとく、最後の最後まで戦いぬきました。そして、今、この殉教の闘士・牧口初代会長の人間共和の信念は、世界177カ国・地域の若きSGIの陣列に脈々と受け継がれていると、私は信じたいのであります。(拍手)
 この会場には、サンマリノ共和国をはじめ、世界五大陸五十力国・地域から、最優秀の青年リーダーが参加しておられます。本当に、うれしい! 本当に、ありがとう!
 さらに、きようの式典の衛星中継には、じつに日本全国の千を数える会館で、五十万人もの未来部の代表の皆さんが参加する予定になっています。この五十万人の未来部の方々にも、本当に、ご苦労さまと申し上げます。
 また、つねに未来部育成に当たってくださる「二十一世紀使命会」の皆さま方にも、心から感謝申し上げるものであります。(拍手)


 サンマリノ市民の叫び「自由とは恐れないこと!」


 新世紀を担いゆく青年が、貴国の歴史から学ぶべき教訓と指針は、あまりにも大きい。
 今から七百年ほど前、「自由とは何か」と尋ねられた、貴国のある市民は、こう答えたと言います。有名な話です。(以下、ジョジェッペ・ロッシ『サンマリノ共和国』菅博、マンリオ・カデロ訳、日商データバンク、参照)
 「自由とは、だれびとをも恐れないことだ」と。
 自由の本質と真髄を突いた言葉として、今日まで残っています。
 そのとおりに、貴国のけなげなる市民の連帯は、いかなる傲慢な政治権力の弾圧にあっても、宗教の「破門」などの仕打ちにあっても、人間の魂の自由のために、断固として戦い、厳然と勝ちぬいてこられました。
 貴国を敬愛するナポレオンが、貴国の領土の拡張を提案したことも、有名な史実であります。
 ところが、誉れ高き貴国の先人たちは、その申し出を、きっぱりと断りました。
 他者の犠牲の上には、みずからの幸福や繁栄を築かない――貴国は、共和国としての、この尊厳を、毅然と選び取ってこられたのであります。
 さらに、″善良かつ強い″市民の集まりである貴国は、歴史を通じて、災難や圧政に苦しむ人々に大きく門戸を開き、一度たりとも拒絶せずに迎え入れ、あたたかく保護してこられたといいます。
 第二次世界大戦において、当時、人口1万5千人ほどの貴国が、なんと10万人以上もの避難者を受け入れ、少ない食糧を分かちあいながら、守りぬかれたことも、まことに名高い史実であります。
 この史実を読んで、滂沱の涙を流した学者もあったと聞いております。

 そうしたなかにあって、慈愛の医師たちの献身の活躍も光っておりました。
 きょうは、わが創価のドクター部の代表も出席されております。ドクター部の皆さん、いつも本当にありがとうございます。(拍手)
 今、日本の社会には、陰湿ないじめや、凶悪な暴力などが渦巻いています。だんだん悪い国になってきました。
 しかし、そうした時代の濁りに、未来部の皆さんは、絶対に染まってはならない。負けてもならない。人がどうあれ、世間がどうあれ、まず自分自身が、強くまた強く、賢くまた賢く、朗らかにまた朗らかに生きぬいていくことであります。そして、悩んでいる友の味方になってあげることです。それが、「師子の心」をもった立派な人間の姿です。
 サンマリノ共和国の歴史のごとく、困っている人、苦しんでいる人に手を差しのべていく勇気と慈愛を持つことです。それが、人間としてもっとも尊いことです。そしてこれこそが、師子の集いである創価学会のお父さん、お母さんたちの精神であったのであります。
 貴国が、なぜ1700年もの間、自由と独立を貫いて、栄えることができたのか。
 この重要な問題を、今まで多くの歴史家が分析し、探究してきました。

 その理由の一端は、「さまざまな苦難や試練を、市民がともに分かちあい、耐えて耐えぬいてきたからである」と結論されているのであります。
 要するに、苦労しぬいたところが、もっとも偉大になる。苦労しぬいた人は、決して負けない。最後には栄えていく。青春も、人生も、この方程式は同じです。
 以前、私たちが開催した大ナポレオン展には、歴史の宝庫である貴国の博物館から、金色に輝く貴重な騎士の「兜」と「鎧」を出品していただきました。それはそれは、見事な光沢を放っておりました。今でも忘れません。
 仏法では「忍耐の鎧を着けよ!」と説いております。どうか皆さんは、気高き使命の青春にあって、徹して忍耐強く、徹して辛抱強く、真実と誠実と堅実の大道を歩み通していただきたい。
 そして、学びに学び、努力に努力を重ねて、汝自身を難攻不落の「正義の大城」に、「哲学の大城」に、そして「勝利の大城」に築き上げていただきたい。これが私の、強い強い念願であります。
 皆さん、きょうはこのことを約束しましょう!
 この未来部のなかから、必ずや、将来の学会の最高首脳も出ます。また社会のあらゆる分野の最高リーダーも陸続と育っていくと、私は断言しておきたい。


 9月8日に刻んだ平和の歴史


 きょう9月8日は、地球民族主義を掲げられた戸田第二代会長が44年前、「原水爆禁止宣言」を、高らかに発表された日です。(1957年〈昭和三十二年〉、横浜の三ツ沢競技場で)
 とともに、弟子である私が、さまざまな妨害や非難のなか、世界の平和と安定を願って、「日中国交正常化」の提言を行ったのも33年前のこの日でありました。(1968年)
 さらにまた、その6年後のこの日、私は多くの反対を振り切って、「そこに人間がいるから、私は行く」と宣言し、中国に引き続いて、共産圏だった旧ソ連のモスクフに、第一歩を印しました。(1974年)
 9月8日は、学会にとって、まことに重要な歴史の日であります。
 そしてきょう、サンマリノ共和国から大切なお客さまをお迎えすることができ、また一つ、新たな歴史を刻むことができました。
 ともあれ、このようにして、一つまた一つと蒔いてきた人間主義の交流の種が、今、大きな大きな平和と文化と教育の結実を勝ち取ったと、私は申し残しておきたい。「種を蒔く」ことです。「行動」を起こすことです。
  昨日、光栄にも、両執政ご一行は創価大学を訪問してくださいました。ロンフェルニーニ執政は、すばらしい講演をしてくださり、「地球村における連帯と共生」を高らかに呼びかけてくださったのであります。心から賛同し、感謝申し上げます。
 世界の模範の共和国の大指導者とご一緒に、私たちは「人間共和」の新たな地球社会の大建設に、ともどもに朗らかに、勇んで前進しゆくことを、ここに約束しあいたいと思うのであります。
 なお、未来部の皆さんは、将来、必ず偉くなって、お父さんやお母さんを、また、親がいらっしゃらない人は、自分がお世話になった人を、世界一のすばらしい平和の国、サンマリノ共和国ヘも連れていってあげていただきたい。皆さん、きょうは、このことも約束しましょう!(拍手)
 結びに、イタリアの偉大なノーベル賞詩人カルドゥッチは、名スピーチ 「永遠の自由」の中で、貴国をこう讃嘆しました。
「君に栄光あれ! おお、有徳にして寛大な、信頼する、古の共和国よ!」
 この言葉のままに、私は貴国の永遠不滅の栄光を、心の底からお祈り申し上げます。
 そして、貴国と世界の青年の「勝利の太陽」が、二十一世紀の人類を、永遠の自由へ、永遠の平和へ、赫々と照らしゆくことを、祈りに祈って、私の心からの御礼のごあいさつとさせていただきます。
 グラッチェ(イタリア語で「ありがとう」)! グラッチェ!

 

 2001年9月8日 サンマリノ共和国「サンタ・アガタ大十字騎士勲章」叙勲式、第一回未来部総会、ドクター部総会

 

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◆た行

中国(中華人民共和国)

2015年6月25日26日

絶対に崩れざる民衆友好を確信

   

 70年前、貴国をはじめアジアの民衆を蹂躙し、日本各地も焦土と化した戦争が、ようやく終結した年、私は17歳でした。
 戦争の非道と悲惨を若き命に刻みつけた私には、続く未来の世代に、この苦しみだけは絶対に味わわせたくないという痛切な思いがありました。
 やがて、日本の軍国主義の2年間の投獄に屈せず、正義の信念を貫き通した戸田城聖先生を師匠と仰ぎ、私は平和の民衆運動に身を投じたのです。
 当時、師のもとで、貴国の大哲人・天台大師が展開した、「変毒為薬(毒を変じて薬と為す)」という法理を学びました。
 どんなマイナスもプラスに転じていける力が、私たちの生命の一念に厳然と具わっていることを示した哲学であります。この大いなる希望を胸に、分断から友情へ、不信から信頼へ、戦争から平和へ、人類史の大転換を願って、私たちは一貫して、対話と交流を積み重ねてきました。
 貴国との間にも、もはや絶対に崩れざる民衆の友好を築くことができたと、私は確信いたしますその一つの証しが“桜花の縁”ではないでしょうか。(30年にわたる「周桜」観桜会、中略)
 かつて、戦争中の日本では、桜さえも、青年を戦争へ駆り立てる道具に使われました。散り際が美しい「桜」が、戦場での「潔い死」の象徴に仕立て上げられたのです。
 しかし、今、その桜は、「死」の象徴ではなく、「生」の象徴に変わりました。そして、「戦争美化」の象徴ではなく、「平和讃歌」の象徴として、国を越えて友誼の花を咲き薫らせているのであります。
 日本留学中の周恩来総理は、若き日の日記に、こう綴られました。
 「われわれは勇気を奮い起こし、小さな困難に立ち向かわなければならない。さもなければ、これらの小さな困難が拡大して大きな困難になる
 一衣帯水の中国と日本の両国の間に、いかなる困難な課題が立ちはだかろうとも、勇気を奮い起こし、「推己吸人」(人の身になって推し量る)の心で協力し合い、学び合いながら、立ち向かっていくならば、断じて乗り越えることができます。
 なかんずく、青年と青年が手を取り合い、教育・文化の次元で交流を持続していくならば、何があろうとも一切を必ず「変毒為薬」できると、私は申し上げたいのであります。(後略)


2015.6.24付 聖教新聞 中国・大連でフォーラムでのメッセージ(抜粋)

2014年5月23日

大変な時は千年先でも万年先でも応援に! 

  
 廖承志会長が、さりげなく先生(本文では池田会長)に告げた。「創価学会は、中国で布教してくださっても結構ですよ」
 しかし、先生は言下に、「その必要はありません」と答えた。
 「今、中国は、毛沢東思想の下で建設の道を歩んでいます。その中で人々が幸せになっていけば、それは仏法にもかなったことになります。貴国の平和と繁栄が続けばよいのです」
 さらに、「もし、お国が大変な時は、遠慮なく創価学会にSOSを発信してください。たとえ1000年先、1万年先でも応援に来ます」と、ユーモアを込めて語った。廖会長は大笑いして喜んだ。

 
大白蓮華No.775号2014.6月号17頁

2013年10月12日

日本の蛮行の根本原因は教育の歪み

 

 なぜ、このような大惨事(南京大虐殺)を引き起こしてしまったのか。
 その要因については、さまざまに分析されますが、貴国の識者の先生方が、根本的元凶として、近代日本の「教育の歪み」を指摘されていたことが、私の脳裏から離れません。
 すなわち、明治維新以降、日本が養成してきたのは、他民族を蔑視し蹂躙してはばからない「軍国主義の信徒」であったというのであります。
 当時の日本の仏教界も、おしなべて、そうした国粋的な時勢に迎合し、加担しました。
 とくに、牧口・戸田両会長を裏切り、軍部権力に売り渡した宗門にあっては、1938年(昭和13年)の年頭、法主(鈴木日恭)みずから、こともあろうに南京の占拠を慶祝し、さらに「撃滅」を呼びかける「祝詞(祝いの言葉)」を公表しているのであります。
 思えば、かの天台大師が、数々の論難を打ち破りながら「法華経」を講義し、流通していったのは、この南京が舞台でありました。仏法上も大恩ある、この都を、日本の坊主は、恩知らずにも冒瀆してきたのであります。
 そもそも、日蓮仏法においては、当時の日本を「悪業の衆生が生まれ集まった国」であると、痛烈に弾呵しております。本来ならば、自分の国を讃えるべきところかもしれません。しかし、真に国を愛するからこそ、日本人の偏狭な島国根性の暴発を、あえて厳しく戒めていかざるをえないのであります。
 日本人特有の「歴史を忘れる」「国際性がない」「傲慢になる」などの悪弊を、人間教育の力によって正し、平和と人道の方向へ善導していくことをめざしたのが、牧口常三郎初代会長だったのであります。獄中での尋問でも、牧口会長は厳然と諫めております。〝中国やアジアへの侵略は「聖戦」などでは絶対ない。国家権力による精神的指導の根本的な誤りが、すべてを狂わしてしまったのだ〟と。
 「生命」という人類普遍の価値に立脚して、世界の民衆のために、勇敢に行動しゆく〝正義の師子〟が陸続と続くことを願いながら、牧口会長は、壮絶な獄死を遂げました。(中略)
 南京を去るにあたって、周総理が厳として記された言葉は、じつに印象的であります。それは、「真の民主、真の平和のために、最後まで奮闘する!」でありました。
 まことの賢者は、目先のことなどに左右されません。
 自分の死後に、何を残しゆくか。そして、いかにして、わが人生を永遠性のある価値へと昇華させていくか。この一点に焦点を定めているのであります。

 

1999.12.16中国・南京大学「名誉教授」称号授与式

2013年10月5日

正しく歴史を認識せよ!そこに未来への展望が!

 

 かつて周恩来総理は、こう遺言されました。「中日両国には、二千年の友好のあとに、五十年の対立があった。前事(前のこと)を忘れずに、後事(これからのこと)の師とすべきである」と。

 まったく、そのとおりであります。「正しい歴史」を認識せずして、どうして「正しい未来」を展望することができましょうか。

 二十一年前の1978年9月、私は南京を表敬訪問させていただきました。その折、私は、「雨花台」など各所で、追悼の献花を捧げるとともに、「南京大虐殺」のすべての犠牲者のご冥福を、心よりご祈念させていただきました。

 きょうは、お迎えした先生方のご家族も、痛ましい犠牲となられたことを、私は血涙を流しながら承っております。私は、仏法者として、心から追善の唱題を送らせていただきました。また、一生涯、祈り続けていく決心であります。(中略)

 1937年の12月、日本軍は、南京を侵略し、以後、約二ヶ月にわたり、残忍きわまりない殺戮、畜生にも劣る暴行、拷問、さらに放火、破壊、略奪等々、悪逆非道の限りを尽くしました。まさに、人類史上、類例のない、狂乱の蛮行でありました。

 日本は国家として正式に、誠心誠意、謝罪すべきであると思いますが、いかがでありましょうか。

 もちろん、この罪は、いかにお詫びしても、償うことはできません。貴(南京)大学の敷地にも、じつに、7千名もの犠牲者の遺骨が埋められていたことを、私は、胸をかきむしられる思いで、うかがいました。

 
1999.12.16中国・南京大学「名誉教授」称号授与式

◆な行

◆は行

◆ま行

◆や行

USA(United States of America)

2021年10月12日

第1741回

アメリカ同志の

誓いの「三指針」

 

 伸一は額に噴き出た汗を拭うと、力強い声で語った。

 「皆さんは、使命あってこのサンフランシスコに来られた。今は、それぞれ大きな悩みをかかえ、日々苦闘されていることと思いますが、それはすべて、仏法の偉大なる功力を証明するためにほかなりません。

 皆さんこそ、アメリカの広宣流布の偉大なる先駆者です。皆さんの双肩には、未来のアメリカのいっさいがかかっていることを、知っていただきたいのです。

 その意味から、私は、本日、三つのことをお願いしておきたいと思います。まず、第一に、市民権を取り、良きアメリカ市民になっていただきたい、ということです。広宣流布といっても、それを推進する人びとが、周囲からどれだけ信頼されているか、信用を得ているかによって決まってしまう。アメリカにいながら、自分のいる国を愛することもできず、日本に帰ることばかりを考え、根無し草のような生活をしていれば、社会の信頼を得ることはできません。市民権を取るということは、国を担う義務と責任、そして、権利を得ることです。それが社会に信頼の根を張る第一歩になっていきます。

 第二には、自動車の運転免許を取るようにお願いしたい。アメリカは日本と違って国土も広い。どこへ行くにも車が必要です。皆さんが動いた分だけ、広宣流布が広がってゆくことを思うと、ドライバーのライセンスの取得は、広布の本格的な戦いを開始するうえで、不可欠な条件といえます。

 第三に、英語をマスターしていただきたい。自由に英語を話せるようになれば、アメリカ人の友人も増え、多くの人と意思の疎通が図れます。弘教は人との交流から始まり、交流は対話から始まります。また、大聖人の仏法は、日本人のためだけのものではありません。アメリカの広布を考えるならば、やがて座談会も、会合での指導も、英語で行われるようにならなければならない。その中心者となっていくのが、ここにいらっしゃる皆さんです。したがって、たとえば日本の『かぐや姫』の話を、英語でしてあげられるぐらいの力を、まず身につけていただきたい」

 伸一は、場内を見渡した。静かに頷いている人もいれば、当惑ぎみの表情をしている人もいた。また、隣同士で顔を見合わす婦人もいる。互いに相手が車を運転し、英語を自在に操る姿など、想像もできなかったのであろう。

 彼は、メンバーの思いを察知し、言葉を継いだ。

 「大変なことを要求しているように思われるかもしれませんが、アメリカの広布を担うのは、皆さん方しかいません。ご婦人の皆さんのなかには、車を運転したり、英語を自在に操るなんて、とても自分には無理であると思っている方もおられるでしょう。しかし、まず”必ずできる””やるぞ”と決めて挑戦し、努力してみてください。皆さんならできます。アメリカには、女性ドライバーは、たくさんいるではありませんか。女性でも車を運転するのは、アメリカでは常識です。やがて日本だって十年もすれば、そんな時代になります。その意味でも、皆さんは日本女性の先駆者となっていただきたいんです。

 また、英語だって、できないわけがありません。ここでは五歳の子どもだって、英語を話している。英語に比べれば、日本語は漢字もあり、大変に難しいといわれています。でも、皆さんは、その日本語を見事にマスターしているではないですか」

 笑いが起こった。その笑いが皆の心にのしかかっていた重さを吹き払い、希望を芽吹かさせた。

 ”そうだ。やってできないことはない!”

 皆、そんな気がしてくるのだった。

 この三つの指針を、伸一は海外訪問の期間中、各地の座談会で訴えていった。やがて、それは、アメリカの同志の誓いの「三指針」となっていったのである。 

<新・人間革命> 第1巻 新世界 124頁~127頁

◆ら行

◆わ行

世界広布新時代

創立100周年

2030年 

 

2025(令和7)年

創価ルネサンスーⅡ

開幕の年

 

世界青年学会

飛翔の年

2013.11.18

祝広宣流布大誓堂落慶

更新日

2024.12.22

第2320回

 

日天月天ワンショット

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