2015年10月24日
大聖人の出世の本懐
<御本仏と共に戦う偉大な民衆が遂に登場>
当時、この大聖人の大願を純真な信心で受け継ぎ、
横暴な権力からの迫害の中で戦っていたのが、
熱原の農民門下でした。
彼らが大難に負けない信仰を示したことこそ、
師弟不二の信心に基づく「死身弘法の実践の模範」です。
これは、後世万代のために、
民衆仏法の凱歌を轟かせた大偉業であったといえるでしょう。
民衆仏法とは、
法華経の万人成仏に基づき、
全ての人々の
尊厳性・尊極性・平等性を
十全に開花する思想です。
その主役を担うのは、
人間から離れた超越者ではなく、
現実の世界の中で、
地域の中で実践を繰り広げる法華経の師弟です。
弟子も、師と同じ実践を共有し、
目覚めた民衆を一人でも多く誕生させていく。
いわば、民衆仏法とは、
使命を自覚した民衆自身が主役となり、
民衆の勝利を開きゆく「人間の宗教」なのです。
無名の庶民である熱原の農民門下は、
正法の信仰のゆえに大難を受け、
三世永遠の魂の自由を勝ち取る戦いをしました。
法華経の精髄である
三大秘法の南無妙法蓮華経を受持し、
御本仏と共に戦う偉大な民衆が遂に登場したのです。
まさに、民衆仏法の基盤が確立しました。
ここにこそ、
大聖人の出世の本懐の成就があるのです。
不軽菩薩を模範とする民衆、
深き使命の地涌の菩薩そのものである
民衆の出現こそが、日蓮仏法の魂です。
まさしく、大聖人一門にとって、
この熱原の農民に代表される
不惜身命の弟子の涌現は、
万年に輝きわたる不滅の礎となったのです。
大白蓮華2015年10月号№792 38頁 聖人御難事(上)
2023.10.7整理