2018年5月3日
最上第一の相伝
『此の品の時最上第一の相伝あり、
釈尊八箇年の法華経を八字に留めて
末代の衆生に譲り給うなり
八字とは当起遠迎当如敬仏の文なり、
此の文までにて経は終るなり
当の字は未来なり
当起遠迎とは必ず仏の如くに
法華経の行者を敬う可しと云う経文なり』
(御義口伝、781頁9行目~12行目)
<現代語訳>
この普賢品の時に、最上第一の相伝がある。釈尊が8年にわたって説いた法華経を8文字に留めて、後の悪世の人々に譲り与えられたのである。その8文字とは「当起遠迎当如敬仏(当に起って遠く迎うべきこと、当に仏を敬う如くすべし)」の文である。この文までで、法華経は終わるのである。「当」の字は、「未来」ということである。「当起遠迎」とは、「仏を敬うのと同じように、必ず、法華経の行者を敬わなければならない」という経文である。
◆仏子の尊敬こそ創価の人間学◆
この一節は戸田先生が繰り返し青年に語り、教えてくださった御文です。
すなわち、釈尊が8年間、説き続けてきた法華経を、たった一文で要約すると「未来に現れる法華経の行者を『仏の如く』に敬いなさい」ということになる。
妙法受持の人を最大に尊敬し、大切にすること。この教えこそ「最上第一の相伝」であると述べられているのです。
「仏子」を尊敬する。「人間」を尊重する。この「振る舞い」の中にこそ、仏法の真髄が脈動するということです。
釈尊から大聖人へと伝わる妙法の精神とは、なんと崇高であり、なんと尊貴でしょうか。
未来を担い立つ後継の皆さんも、この人間主義の系譜に直結して、どこまでも人々を尊敬し、誠心誠意の「振る舞い」を貫き通していただきたい。これこそ末法万年に輝きわたる、誉れの創価の「人間学」だからです。
◆同志を仏の如く敬い、大切に◆
日興上人の「遺誡置文」の中で、この普賢品の文を引かれています。
『身軽法重の行者に於ては下劣の法師為りと雖も当如敬仏の道理に任せて信敬を致す可き事』(1618頁)
「身軽法重(しんきょうほうじゅう)の行者」に対しては、たとえその人の身分や立場が劣っても、「当に仏を敬うが如くすべし」との道理のままに、信じ敬っていくべきである、と述べられています。
◆妙法を持つ人こそ尊貴◆
現代で、この師弟不二の魂を実践しているのは、一体誰か。まさしく世界へ妙法を弘めている私たち学会員にほかなりません。
たとえ人前でうまく話せなくとも、弘教がなかなか実らなくとも、広宣流布を願って御本尊に必死に祈り、地道に活動している人こそが「身軽法重の行者」です。自分の大切な時間を使って、法のために、人のために、行動している勇者なのです。
だからこそ私は、陰に陽に広布に戦う同志の学会員を、仏のように敬い、大切にしてきました。
御書に『持たるる法だに第一ならば持つ人随って第一なるべし、然らば則ち其の人を毀るは其の法を毀るなり』(持妙法華問答抄、465~466頁)とあります。
最高無上の妙法を持つことは、どんな社会的な地位や名誉、名声を持つことよりも勝っているとの仰せです。
逆に、この妙法を持つ人を謗ることは、法を謗ることにつながるのです。
だからこそ、同志は守り合い、尊敬し合い、助け合っていかなければなりません。特に男性リーダーは、婦人部・女子部を最大に大切に守り、感謝し、礼を尽くしていただきたいのです。
◆広宣流布大誓堂の8本の柱◆
今年(2018年)の1月3日に、私は広宣流布大誓堂を訪れました。
その御宝前には、「創価学会会憲」の署名簿が供えられていました。これは昨年11月に世界のリーダーが集い、署名したものです。
私も、全世界の同志が「異体同心」のスクラムで、一段と世界広宣流布を進め、各国・各地が平和に安穏に、繁栄していかれるよう、真剣に祈りを捧げました。
この広宣流布大誓堂の北側、南側には、それぞれ8本の柱が立ち並んでいます。この柱は、「必ず仏の如くに法華経の行者を敬うべし」という「法華経の心」「創価の心」を体した8文字(当起遠迎当如敬仏)の象徴です。
大誓堂の8本の柱は、晴れの日も雨の日も厳然と立ち、地涌の法友の奮闘を讃えるように、来館された方々をお迎えしているのです。
釈尊から大聖人、そして創価学会に「最上第一の相伝」として、確かに継承されているのが「当起遠迎当如敬仏」の実践です。
◆いよいよ本門の主役たちが登場◆
一人ももれなく等しく仏なり。
ゆえに、万人を尊敬し、尊重する。
この最上第一の「人間学」を持った創価の青年が、人類の新時代を勝ち開いていきます。
分断から結合へ!
孤立の冷たき闇を、共和の温かな光へ!
悪世の修羅闘諍を、立正安国の世界平和へ!
――人類の宿命を転換する本門の地涌の青年が、いよいよ新たな平和の大航海を始めたのです。
◆世界広布は絶対に盤石なり!◆
戸田先生は、「大法弘通慈折広宣流布大願成就」の御本尊の御前で、青年たちを紹介して讃えられました。
「皆さん、この青年男女諸君に、どうか期待してください。この若者たちが、この大法戦をやり遂げる人びとです。この青年たちがいる限り、学会は絶対に盤石であります」
私も恩師と同じ心で宣言したい。
「わが愛する創価の青年たちがいる限り、世界の広宣流布は末法尽未来際まで絶対に盤石であります!」
大白蓮華2018年4月号№822 17頁~21頁