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2022年1月29日
第1883回
学会活動の基本
<個人指導なき活動は、画竜点睛を欠く>
次いで伸一は、
「女子部の皆さんも、どうか真心を込めて、
一人ひとりのメンバーの
個人指導を実践していっていただきたい」
と呼びかけた。
彼は、男女青年部の活動が、
会合や行事の運営などが中心となり、
個人指導がなおざりになっていく
ことを心配していたのである。
学会活動の基本は、
自行としての勤行・唱題と、
化他行としての折伏と個人指導にある。
また、見方によっては、
折伏とは、一人の人が入会する
ことで終わるのではなく、
個人指導を重ね、
その人が自分以上の人材に育ってこそ、
完結するということができる。
会合も大切であることはいうまでもないが、
会合に出席する人というのは限られている。
たとえば、座談会を見ても、
参加者に倍するほどのメンバーが、
それぞれの組織にはいるはずである。
そこに、満遍なく激励の手を差し伸べてこそ、
盤石な学会がつくられ、
それが拡大にもつながり、
広宣流布の広がりも生まれる。
いわば、個人指導なき活動は、
画竜点睛を欠いているといってよい。
ひとくちに個人指導といっても、
決して、容易なことではない。
会員のなかには、さまざまな人がいる。
会って話すことを拒む人もいれば、
子どものころに親と一緒に入会してはいるが、
自分は信仰をした覚えはないという人もいるかもしれない。
あるいは、
学会に著しく批判的な人もいるだろう。
さらに、病苦や経済苦などに悩み、
未来への希望を見いだせずに悶々としている人もいる。
そうした人びとの家を訪ね、
知恵を絞って対話の糸口を探し、
友情を結び、信仰の大切さを語り、
勤行や教学を教えていくことは、
並大抵のことではない。
それは、会合で話をしたり、
行事の運営をすることより、
はるかに難しいにちがいない。
しかし、そこにこそ、
自身の鍛錬がある。
他者を育成するなかにこそ、
自己の成長もあるからだ。
また、その労作業のなかに、
まことの仏道修行がある。
会合に集って来る人だけを相手に、
活動を進めることは楽ではあるが、
そこには本当の広宣流布の広がりはない。
それでは、海の彼方の岸辺をめざしながら、
入り江のなかを巡って
満足しているに等しいといえよう。
学会活動の主戦場となる舞台は、
会合の先にこそあることを、
幹部は深く認識しなければならない。
創価学会の真心のネットワークを
形成してきたものも、
家々を訪問しての個人指導であった。
大樹が、網の目のように、
地中深く張り巡らされた
根によって支えられているごとく、
学会を支えているものも、
この地道な個人指導の積み重ねであるといってよい。
臆病で怠惰なスタンドプレーヤーには、
この勇気と忍耐の労作業を
成し遂げることはできない。
民衆のなかへ、
友のなかへ、
人間のなかへと、
個人指導の歩みを進める人こそが、
仏の使いであり、
まことの仏子であり、
真正の勇者といえるのだ。
山本伸一は、青年部の幹部が、
個人指導に徹していくならば、
学会の未来は永遠に盤石である
と確信していた。
川が流れるにつれて川幅を広げ、
水かさを増すように、
時代を経るごとに、
人の輪が広がり、
数多の人材が
輩出されていくことになるからである。
しかし、青年部の幹部がそれを怠るならば、
学会という大樹の根を、
自らの手で断ち切ることに等しい。
ゆえに彼は、この女子部の幹部会で、
個人指導の大切さを訴えたのである。
<新・人間革命> 第8巻 宝剣 102頁~105頁
2014年6月1日
励ましのネットワーク
創価学会の世界では、個人指導は、当然のことのように、日常的に行われています。
それは、苦悩を克服するための励ましのネットワークであり、現代社会にあって分断されてきた、人間と人間の絆の再生作業でもあるんです。この私どもの行動のなかに、学会のみならず、社会の重要な無形の財産があると確信しております。
やがて、その事実に、社会が、世界が、刮目する時が、きっと、来るでしょう。
小説 新・人間革命 27巻 激闘55
2014年5月30日
個人指導の基本姿勢-2
第四に、粘り強く、包容力豊かに、指導の任に徹していくべきであります。
たとえば、自分の担当する組織で、活動に参加していない方のお宅におじゃまし、個人指導したとします。しかし、それで、すぐに発心することは、むしろ、まれです。
折を見て、また、お伺いしては、根気強く、励まし続けていく。そのなかで、こちらの真心が通じ、信頼が生まれ、〝頑張ろう〟という思いをいだいていくものです。個人指導に求められるのは、持続力なんです。
個人指導によって、相手の方が奮起した場合でも、“その後、どうなったのか”“悩みは克服できたのか”と心を砕き、電話でも、手紙でもよいから、連絡を取って、激励していくことです。幹部になった。張り切って会員宅を訪れ、個人指導した。しかし、一度だけで終わりというのでは、途中で放り出してしまったようなものです。
第五に、抜苦与楽の精神こそ、個人指導の大目的であることを忘れないでください。
皆、さまざまな悩みをかかえて、苦しんだ末に、指導を受ける。したがって、指導する限りは、その悩み、苦しみが、少なくなるように励ましていくことが肝要です。
小説 新・人間革命 27巻 激闘53,54
2014年5月28日
個人指導の基本姿勢-1
第一に、決して、感情的になってはならないということであります。
会員の方でも、信心をしていこうという自覚が乏しく、学会に対して批判的な発言をすることもあるでしょう。しかし、その時に、感情的になり、声を荒らげるようなことがあってはならない。
指導する側が感情的になれば、相手は、心を開こうとはしなくなります。そうなれば、指導も、激励も成り立ちません。
第二に、個人指導は、どこまでも信心の確信が根本であるということです。
こちらの大確信をもって、相手の魂を揺り動かし、触発していくことが個人指導の根本です。それがあってこそ、理路整然とした説明も生きてくるんです。したがって、個人指導を行う際には、しっかり唱題し、強い生命力を涌現させていくことが大事です。また、確信を伝えるうえで、自分の体験や、多くの同志の体験を語っていくことも必要です。
第三に、相談を受けた内容を他言しては、絶対にならないということを銘記していただきたい。
特に、宗教者には守秘義務があります。万が一にも、相談を受けた話が漏れるようなことがあれば、それは、学会全体への不信となり、仏法のうえから見ても、結果的に、広宣流布を破壊する重罪となります。
小説 新・人間革命 27巻 激闘53
2014年 5月27日
「個人指導」の人に退転なし
「私が多くの幹部を見てきて感じることは、個人指導を徹底してやり抜いてきた方は、退転していないということなんです。
個人指導は、地味で目立たない永続的な忍耐の労作業であり、それを実践していくなかで、本当の信心の深化が図れるからです。さらに、個人指導を重ねていくなかで、自分自身を見つめ、指導することができるようになるんです。だから退転しないんです。
もちろん折伏も大事です。ただし、折伏しただけで、入会後の指導をしっかりしていかないと、一時的な戦いに終わってしまう面があります。また、折伏の成果は、すぐに目に見えるかたちで表れるので、周囲の同志から賞讃もされます。それによって慢心になり、信心が崩れていってしまった人もいました。
したがって、折伏とともに、個人指導に全力を傾けていくことが、自分の信心を鍛え、境涯を高めていく必須条件なんです。
折伏、個人指導は、対話をもって行う精神の開拓作業です。開拓には、困難に挑む勇気と忍耐が必要です。しかし、その労作業が、人びとの生命を耕し、幸福という実りをもたらすんです。どうか皆さんは、誠実に対話を重ね、友の生命開拓の鍬を振るい続けていってください。
個人指導は、組織に温かい人間の血を通わせ、組織を強化していく道でもあるんです」
小説 新・人間革命 27巻 激闘55